目次
IoTはみんなの身近なところにも
最近頻繁にIoTってワードを聞くけど、僕たちの生活にどういう影響を与えてくれるの?
みなさん、こんにちは、IT課長です。
ここ最近、さまざまな場面でIoTというワードが飛び交っています。
IoTとは”Internet of Things”の頭文字をとった形です。
ではみなさんはIoTとは何なのか、どういった場面で役に立つのか理解できていますか?
実はすでに私たちの身の回りでもさまざまなところでIoTの技術が活躍しているんです。
今回はIoTについての基本的な考え方と、どのような場面で活用されるか具体的に紹介していきます!
<こんな方にオススメ>
- IoTが何なのかわからない
- IoTが何に役に立つのかを知りたい
IoTの概念は広い

IoTとは”Internet of Things”の頭文字をとったものです。
直訳すると“モノのインターネット”になりますね。
なんだか微妙な訳なのですが、でもまさにその通りなのです。
これまで我々が触れてきたインターネットといえば、90年代後半から2000年代にかけてパソコンでインターネットをするようになり、ガラケーと呼ばれた携帯電話でEメールや簡単なアプリケーション、最近ではスマートフォンで様々なSNSを利用するようになりました。
つまり、基本的には通信専用の端末でインターネットを活用してきました。
しかしIoT時代になると、身の回りのあらゆるモノがインターネットに接続されることになります。
身近なIoTの実例
- Apple Watch
- 通信機能のついたカーナビゲーション
- Amazon Echoなどのスマートスピーカー
すでに利用されている方も多くいると思います。
このように今後もさまざまな機器がインターネットに接続するようになるため、IoTの領域は非常に大きなものになるといえます。
IoTの仕組み

少し技術的な話になってしまいますが、IoTの仕組みについて説明します。
非常にわかりやすい図があったのでシナップ社のブログより構成図を引用させていただきました。
IoTには主な登場人物は以下の4つであり、それぞれの役割をご説明します。
デバイス(センサー)

まず一つ目がデバイスであり、センサーです。
様々なデータを収集する役割を担います。
データを収集するために必要なのがセンサーです。
最近では取得したいデータに応じていろんなセンサーが開発されており、例えば、温度センサー、湿度センサー、加速度センサー、照度センサー、人感センサーなどといったもののなかから用途に合わせて適切なセンサーを選択します。
ゲートウェイ
二つ目はゲートウェイです。
ゲートウェイの機能は集めたデータをネットワークを通じてクラウドへアップロードする役割です。
Apple Watchなどのようにハイスペックなものであれば直接通信させることができますが、例えば工場内に数多くある機器を用いてIoTを実現する場合、一つ一つの機器にデータ通信機能を持たせることがコストもかかり非効率であることから、ゲートウェイにデータを集約し、まとめてクラウドへアップロードします。
ネットワーク

ここは文字通りデータをアップロードするための回線を表します。
日頃私たちが利用している大手通信キャリアが提供する携帯電話回線を利用したり、IoT専用に構築されたネットワークを利用することもあります。
後者はLow Power Wide Area(LPWA)と呼ばれ、小さいデータを扱うIoTならではのネットワークです。
国内では京セラコミュニケーションシステム社がSigfoxというグローバル規格のエリア展開を行なっていたり、NTTドコモやソフトバンク等の通信キャリアがLoRaWANやNB-IoTという規格の展開を進めています。

サーバー(クラウド)

最後の登場人物がサーバー(クラウド)です。
デバイスやセンサーで集めた情報が最終的にこのサーバーに集められ、データの分析や可視化をおこなったり、あるいは遠隔でデバイス側へ指示を送るなどの役割を担います。
最近スマートホームなどのサービスで外出先からスマートフォンを使って自宅の玄関の鍵をロックしたり、エアコンの電源を入れたり切ったりするサービスがありますが、これはインターネットを介してクラウド側から自宅のドアやエアコンに対して遠隔指示をおこなっています。
IoTの活用事例
物流業界での活用
物流業界はIoTによって大きく変革する業界の一つだと想定されます。
まず第一に物流センター内での在庫の管理の上で、IoTの技術が大いに活躍するでしょう。
これまで人がバーコードリーダーなどを利用して管理していたものが、センサーを用いることにより何がどこにあるかを実物を探すことなく把握することができるようになります。
また配送の面でも大きな変革が起きるでしょう。
今後はドローンでの配送が当たり前になったり、ソフトバンクが出資するアメリカのNuro社は自動運転の技術を用いた配送専用の車両を開発しています。
ドローンや自動車がIoTの技術を用いて通信をおこなうことにより実現します。

出典:Nuro社ホームページ
農業における活用
農業の面でもIoTは活躍します。
まず日本の現状として農家の人口はどんどん減少しています。
厚労省の発表によると平成22年に650万人いた農家人口は平成31年に398万人となり、約10年間で250万人も減少しています。
また同じように農家の高齢化も進行しており、平成31年の398万人のうち約45%が65歳以上です。
こういった背景から、今後もますます安定的な生産活動が難しくなると考えられますが、そういった課題をIoTのテクノロジーを活用することで少しでも効率的かつ安定的に生産ができないかといった研究が様々なところで行われています。
前振りが長くなりましたが農業面での主な活用事例としては以下の通りです。
データに裏付けされた栽培手法の確立
農業はデータの宝庫です。
たとえば気温、湿度、日照度や水田の水位、水温などのデータを取得し、生育状況と掛け合わせることで、どういった条件下で質の高い作物ができるかというモデルケースを作成することができます。
こういったデータに裏付けされた手法が確立できれば、未経験者の参入ハードルも低くなり、農家の就業人口の拡大へと繋がる可能性があります。

ベジタリア株式会社の第Ⅵ世代 フィールドサーバの構成イメージ
建機の自動制御
池井戸潤さん原作の”下町ロケット”でも取り扱われましたが、GPSよりもさらに精度の高い準天頂衛星からの位置情報を利用することで、これまで人が乗車して運転する必要があった建機を無人で動かすことが可能になります。
そうすることで昼夜を問わず畑を耕すことができたり、建機を自動で動かしながら別の作業をおこなうことができたりと、より効率的な農作業が実現できます。
防災での活用
言わずもがな日本は災害大国です。
地震はもちろん、近年はゲリラ豪雨や台風など雨による災害も非常に多く発生しています。
IoTの技術は防災・減災という領域でも重要な役割を担ってくれるでしょう。
例えばKDDI、トヨタ、応用地質の3社が共同でIoT、ビッグデータ分析を活用した「国・自治体向け災害対策情報支援システム」を開発しています。
このシステムではKDDIがスマートフォンから取得できる人流データ、トヨタが車両の走行データ、応用地質が水位など測定する各種センサーを提供することで、すぐに通行止にするべき道路の判別、普段よりも人口が密集している地域の特定、効率的な避難経路への誘導などが可能になります。

IoTは生活を変える

私たちの身近な場面でいうと、家庭内にあるさまざまな家電も当たり前のように通信機能を持つようになり、今後さらにIoT時代を肌で感じるようになるでしょう。
みなさんも身近なものが通信機能をもつとどのように便利になるか、ぜひ考えてみてください。
そういったアイディアが実はイノベーションを起こしたりするものです。
最近のコメント